完売必至!? 世界から注目されるウイスキー「イチローズ・モルト」って?

NHK朝の連続小説ドラマ「マッサン」という大きな影響があり、日本国内では最近ウイスキーブームが再燃しています。
さらに、今年はサントリーやニッカといった大手メーカーが、一部商品について終売を決定したということもあり、2015年は国内のウイスキー業界が何かと世間の注目を浴びた年となりました。
世界の5大ウイスキーとして数えられ、今や世界中にファンが存在するジャパニーズウイスキーですが、今まさに世界中から注目を集める日本の酒造会社があるのはご存知でしょうか?
会社の名前は「ベンチャーウイスキー」。埼玉県の秩父市にあるこの酒造メーカーから発売されるウイスキーは、常に完売状態が続き、予約だけでも生産分が売り切れになるほどの人気ぶりとなっています。
なぜ、ここまで注目されているのでしょうか?今回は、酒造メーカー「ベンチャーウイスキー」と、同会社の主力ブランドである「イチローズ・モルト」についてご紹介します!
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自然に育まれた世界最高峰のウイスキー
「ベンチャーウイスキー」の創業者は肥土伊知郎(あくといちろう)氏。肥土氏の実家は古くから続く老舗の酒蔵ですが、肥土氏の父が経営に携わっていた埼玉県羽生市にある東亜酒造が、関西の酒造メーカーに売却され、その傘下に組することになりました。
そして、営業譲渡した先から付き突きつけられたのはウイスキー造りからの撤退、さらに「熟成中の約4000樽の原酒を廃棄する」という条件でした。
これに、肥土氏は「我が子を捨てるような事は出来ない」と原酒を預かってくれる企業を探し、苦労の末に福島県の「笹の川酒造」に原酒を預かってもらう許可を得ました。
その後、その原酒を元にウイスキーの販売を行う会社として、2004年9月にベンチャーウイスキー社を立ち上げました。そして、2007年には秩父市に新蒸溜所を設立したのです。
肥土氏は日本中のBARを訪ね、地道な営業と調査活動を重ねてウイスキーの本場スコットランドにも視察に行き、ウイスキー造りを学びながら、自前の蒸留所を立ち上げる準備を進めます。
土地や施設、ウイスキーの製造設備にはこだわり、わずかな形の違いで味が変わってしまうのでポッドスチル(蒸留器)はスコットランドのメーカーから直接輸入したそうです。
また、ウイスキーの原材料を発酵させる発酵槽には、日本古来の木材である「ミズナラ」を採用。「ミズナラ」の丸太を肥土氏自ら北海道に買い付けに行き、樽職人がパンチョン樽に加工し、自社のシングルモルトを貯蔵するという独自の方法を用いています。
世界5大ウイスキーとして数えられるジャパニーズウイスキーですが、ウイスキーを製造・販売している会社は、サントリーやニッカという大企業以外では日本でも数カ所となっています。
「ベンチャーウイスキー」は、大手と比べれば小規模な蒸留所ですが、自然に恵まれた風土と独自の製法を用いて、最高級のウイスキーを造りあげることで世界から注目される存在になったのです。

完売必至!? マニアが欲しがる「イチローズ・モルト」
「ベンチャーウイスキー」が造るブランド「イチローズ・モルト」どんな商品なのか?イチローズ・モルト カードシリーズ「キング オブ ダイヤモンズ」 は、世界100カ国以上で愛読されているウイスキー専門誌『ウイスキーマガジン』のジャパニーズモルト特集で最高の「ゴールドアワード」に選ばれました。
さらに、世界最高のウイスキーを決めるWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)では、2007年以降5年連続でカテゴリー別日本一という栄冠に輝き、その名は世界のウイスキー愛好家に知られています。
また、その希少性から全シリーズを集めたいというマニアも存在し、どうしても見つけられない商品のために、はるばるスウェーデンから秩父にある蒸留所まで訪ねてきた人もいるそうです。

主な商品を紹介
・イチローズ・モルト 秩父ザ・ファースト秩父蒸留所の記念すべきファーストシリーズのシングルモルトウイスキー。
2008年に稼動を開始した秩父蒸留所の原酒が、ウイスキーの世界基準である3年の熟成を経てリリースされました。

・イチローズ・モルト ダブルディスティラリーズ
WWA2009(ワールド・ウイスキーアワード)ベスト・ジャパニーズ・ブレンデッドモルトに選ばれた世界に認められた日本のウイスキーです。
羽生蒸溜所のシングルモルト原酒と、2008年2月に稼働したばかりの秩父蒸溜所のモルト原酒をブレンド(注)して作ったピュアモルトです。

・イチローズ・モルト ザ・ファイナルビンテージ・オブ・羽生
WWA2008(ワールド・ウイスキーアワード)において、熟成年数12年以下のクラスにおいて、ベスト・ジャパニーズ・シングルモルトウイスキーを受賞したお酒です。
しかも、2年連続受賞!2000年に惜しまれながら蒸留を止めてしまった「羽生蒸留所」の最後の作品となっています。

・イチローズ・モルト 23年カスクストレングス
WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)2008において、熟成年数21年以上のクラスにおいて、ベスト・ジャパニーズ・シングルモルトウイスキーを受賞しました。

・イチローズ・モルト カードジョーカー
かつて羽生で生産され、熟成されていたウイスキー原酒で作られたボトル「カードシリーズ」の54枚目。最後のお酒です。通称「ジョーカーカラー」。

まとめ
本日はベンチャーウイスキー 「イチローズ・モルト」についてご紹介しました。肥土氏のウイスキーにかける情熱を少しでも知って頂けたら幸いです。
最後になりますが、これからだんだんと冷え込む季節になりますね。
そんな時こそ肥土氏の情熱が生んだ「イチローズ・モルト」で心と体を温めてはいかがですか?