カミュ JAZZ(camus JAZZ)の特徴
映画やドラマの影響や、バブル時代のイメージもあり、特に日本ではブランデーと言えば高級酒といったイメージで認知されています。そんなブランデーの中でも、特に有名で世界的に人気のあるブランドが「カミュ」です。
カミュはブランデーの中でも「コニャック」を製造している企業です。
また、カミュ社はフランスに数あるコニャックメーカーの中でもトップクラスの規模を誇っているため、5大コニャックにも数えられています。
バブル時代には海外旅行のお土産や、お歳暮・お中元といった贈答品として使われることも多かったため、お酒を飲まない人でも名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
そんなカミュからは、現在では終売になってしまったものも含めて、数えきれないほどのラインナップの商品が発売されています。比較的手に入りやすい価格帯のものから、超高級なバカラグラス製のボトルを使用したものなど、その種類は実に様々です。
また、カミュ社のコニャックには、ボトルの形が変わっているものが多いことも大きな特徴のひとつです。そのなかでも最も有名なものは、本の形をした陶器製のボトル「カミュ ナポレオン ブック」シリーズですが、その他にもゴルフボール型のボトルや、ブランデーの熟成に使われる樽の形をしたものなど、インテリアとして飾っておくこともできるようなデザインボトルがたくさんリリースされています。
その中でもひと際オシャレな形をしているものが、カミュ JAZZになります。
カミュ JAZZは通常のボトルよりもスリムな形状と、透き通るような透明のボトルが見た目にもスタイリッシュですよね。また、ボトルはしっかりとした缶箱に収められているため、旅行中にボトルが破損してしまわないように配慮されています。
カミュ JAZZは1990年代から、空港の免税店限定で発売されていたボトルになっており、日本国内での通常販売はされていなかったと言います。
販売されていた価格帯も手に入れやすい金額に設定されており、またスリムで荷物を圧迫しないサイズだったこともあり、お土産として非常に人気が高かったと言われています。
歴史
「カミュ」はジャン=バティスト・カミュによってフランス南西部のコニャック地方に設立された、創業150年以上の歴史を誇る老舗コミャックメーカーです。
代々家族によって経営を続けることで、これまでに培ったコニャック造りの伝統と歴史を継承し、現在では家族経営でありながらコニャックメーカーとして最大級の規模を誇る一大メーカーにまでなっています。
カミュ社はその歴史と実績から、世界のコニャックファンからは「コニャックの名門」とも呼ばれ、幅広い世代の人々から厚い支持を受けているブランドのひとつです。
またカミュ社は、長い歴史と伝統を重んじたコニャックを造り続けながらも、日々革新的な商品を生み出し、独自のスタイルを確立していることでもよく知られています。
カミュのコニャックは創業から間もなく海外への輸出をはじめ、その品質の高さからすぐに世界中の美食家たちの間に受け入れられていきました。
20世紀のはじめにはロシア皇帝に愛飲されていたとも言われており、その後もヨーロッパ全土やアジア圏などへと、次々にそのシェアを拡大していきました。
そうして築き上げたカミュというブランドは、高品質コニャックを造り続けることで、現在でも世界中のブランデー愛好家たちを虜にしているのです。
その味わいや香りがまろやかなことがカミュ製のコニャックの最大の特徴だと言われています。こうした味わいが日本人の味覚にぴったり合ったことと、また高度経済成長期の海外旅行ブームにおいてお土産品としての地位を確立したことによって、「カミュ」は日本においては高級コニャックの代名詞として、知らない人はいないとも言われるほどの知名度を獲得しています。
また、もちろんその品質は世界中で認められるところです。
酒類コンペティションに出ることはめったにないカミュ社ですが、これまでにロンドン国際ワイン&スピリッツ コンペティションに3度参加した際には、その全てで金賞を受賞しており、「世界最高峰のコニャック」とも称されています。
逸話
カミュはブランデーの中でも「コニャック」を製造しているメーカーです。
「コニャック」とは数あるブランデーの中でも、フランスのコニャック地方で造られ、フランス国内法に定められた基準をクリアしたブランデーだけが名乗ることを許されている呼称のこと。決められた蒸留法や原料となるブドウ、樽での熟成年数といった厳しい条件を守らなければ名乗ることができないのです。
つまり「コニャック」という名前自体が、高品質の証でもあるのです。
そんな数あるコニャックメーカーの中でもカミュだけが持っている特徴は家族経営を行っていること。創業者であるバティスト・カミュから、現当主であるシリル・カミュに至るまで、代々カミュ一族によって経営を続けています。
こうした家族経営のコニャックメーカーは、昔はフランスにもたくさんあったのですが、現在でも残っているのはこのカミュ社だけになってしまったのだと言われています。
カミュ社は創業から変わることのない伝統と、高品質コニャックを造るというこだわりを守り続けたことで、ブランデー業界を牽引するコニャックメーカーとなっているのです。