カードゥ(cardhu)の特徴
カードゥ(CARDHU)はゲール語で「黒い岩」という意味で、スペイ川中流域のマノックヒルの丘に位置する蒸留所で造られています。
仕込みの水には、マノックヒルの泉の水を使用しており、甘く繊細で華やかな香りがあり、口あたりは優しく上品な味わいが特徴です。
カードゥはボトラーズ物がほぼリリースされていませんが、限定ボトルではレアモルトシリーズから2種類の熟成カードゥが発売されました。
また2005年には1982年ヴィンテージの22年物がリリースされ、特にスペインでは大変人気のある世界中で評価の高いウイスキーです。
歴史
カードゥ蒸留所は1824年ジョン・カミングによって創業されました。このカードゥ蒸留所の歴史の中では2人の女性が活躍しています。一人目は創業者ジョン・カミングの妻ヘレンです。
1707年、イングランドはスコットランドを併合し、高額な酒税を課しました。ジョン・カミングは1811年、農業のかたわらでヘレンと一緒に密造酒作りを始めました。
彼女はあらゆる手段を使い、密造の査察団が来ると仲間達に知らせるため赤い旗を振り欺いたのです。
そしてもう1人の女性は、ジョンが亡くなった後に蒸留所を引き継いだ息子ルイスの妻、エリザベスです。
彼女はルイスの死後蒸留所を引継ぎ、見事な手腕で19世紀後半にはカードゥの名と評価を高め、その地位を不動のものにしました。
逸話
1990年前半、エリザベスからカードゥ蒸留所はジョニー・ウォーカーに売却されました。
所有者のディアジオはスペインに向けてジョニー・ウォーカーの黒ラベルを売り出そうとしましたが、スペインではラベルに「モルト」が入ったものが流行していました。
それを踏まえて商品化されたのがシングルモルトのカードゥ12年でした。このカードゥ12年は6年間の間に10万ケースされ、非常に人気となり、生産が追いつかなくなると言う結果になりました。
そのため打開策として、値段を引き上げると言う案もありましたが、ディアジスは新たにカードゥ・ピュアモルトを販売することにしました。
しかし、スペインの業界からは「ピュアモルトといったあいまいな表現は好ましくない」と言う意見が上げられ、国会の場で審議された結果、カードゥ・ピュアモルトの販売を断念することになりました。