富士山麓とは?定価や終売商品、評判を紹介
近年のジャパニーズウイスキー人気により、価格の高騰化が話題になっている銘柄のひとつが、「富士山麓」です。
終売の噂もあり、富士山麓とはどんなウイスキーなのか、なぜ高騰化しているのか気になる方も多いでしょう。
今回は富士山麓について詳しくご紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
富士山麓(ふじさんろく)とは?
富士山麓とは、キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所で造られるブレンデッドウイスキーです。
富士の伏流水を使用し、アルコール度数が50%と原酒の濃厚な風味を残しながらも、フルーティーで華やかな香りが魅力。特にウイスキー愛好家から人気があります。
かつてはコスパが良いウイスキーとして知られていた富士山麓ですが、世界的なジャパニーズウイスキーブームによって価格は高騰。現在は一気に、リッチなウイスキーへと位置づけられるようになりました。
加水を抑えて原酒の味わいを楽しめる
一般的なウイスキーのアルコール度数が40%前後なのに対し、富士山麓のアルコール度数は50%と高めです。これは、ウイスキーを瓶詰めする際に加える水の量を”あえて”減らしているため。そうすることで、原酒の味わいをより楽しめる仕上がりにしているのです。富士山麓は、この原酒の濃厚さと甘みが個性であり、50%という高いアルコール度数でありながらフルーティーかつ華やかさを感じられるのが魅力です。
このコクや深みの個性が強く感じられるからこそ、好みが分かれるウイスキーになっていることは確かでしょう。
ノンチルフィルタード製法により深い味わい
富士山麓は、原酒本来の味わいを楽しめる仕上がりにするために、ノンチルフィルタード製法も採用しています。ノンチルフィルタード製法とは、通常のウイスキー造りで行われている冷却ろ過を行わない製法のこと。樽から出た原酒は、温度が低くなり冷えることで香味成分が飽和し、澱(おり)や白濁が生じます。そのため一度冷却ろ過をしてから瓶詰めを行うのが一般的ですが、その際に香味成分が析出してしまいます。
一方ノンチルフィルタード製法であれば、香味成分を残したまま本来の深みのある味わいを活かすことができるのです。
富士山麓の終売状況
現在は「富士山麓 シグニチャーブレンド」のみ販売が行われています。過去には「樽熟原酒50°」や「シングルモルト18年」も販売されていましたが、どちらも終売となりました。その理由は、主力商品であった富士山麓の品質を守るため。近年のウイスキーブームにより急激に需要が増え、原酒不足となったわけです。
ウイスキーは長い年月をかけて造られるお酒であるため、生産量を一気に増やすことはできません。原酒不足が解決しない限りは、復活も難しいというのが現状と言えるでしょう。
富士御殿場蒸溜所とは
富士の自然に囲まれ、富士の恵みがつまった麓の地。富士山麓が造られているキリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所は、世界でも珍しい蒸溜所として知られています。
歴史や特徴
1972年、「J・Eシーグラム社(米国)」「シーバス・ブラザーズ社(英国)」「キリンビール(日本)」の3社合同で「キリン・シーグラム株式会社」が設立されたことから始まりました。(現在はキリン単独所有)日本人の味覚に合うウイスキーを造るという理念の元、富士御殿場蒸溜所は国境を超えた技術を取り入れ、新しいウイスキー造りに励んできました。
富士山麓を製造するこの富士御殿場蒸溜所は、冷涼で湿潤な気候と澄んだ空気がキリンのウイスキー造りにとって理想の地。仕込み水は富士の良質な伏流水を使用しています。
そしてモルトウイスキーとグレーンウイスキー両方を仕込みから瓶詰めまで製造している、世界でも珍しい蒸溜所です。ここで造られるウイスキーの魅力は、富士御殿場蒸溜所ならではの味わいといえるでしょう。
富士山麓のラインナップ
富士山麓は過去にさまざまな種類を販売してきました。すでに終売してしまった商品もありますが、富士山麓シリーズの代表的なラインナップをご紹介します。1.富士山麓 樽熟原酒50°
元々販売されていた「富士山麓 樽熟50°」をフルリニューアルした「富士山麓 樽熟原酒50°」は、2016年に発売されました。現在は販売終了となっています。
前述したノンチルフィルタード製法による、樽熟原酒本来の味わいが楽しめる一本になっています。特にウイスキー愛好家から根強い人気を誇ります。
当時は安価でしたが、終売となった今の市場価格は高騰しています。
定価:オープン(約1,500円)
参考買取価格:1,000円前後
2.富士山麓 シングルモルト18年
富士山麓 シングルモルト18年は、18年以上熟成されたモルト原酒のみを使用した、アルコール度数43%のウイスキーです。2005年に発売され、2015年に終売しました。
シェリー・バーボン・ワイン樽などの複数の樽で熟成した原酒をブレンドし、複雑でリッチな味わいを楽しめます。インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)では、樽熟50°とともに金賞を受賞しています。
フルーティーな香りとほのかなピート香が感じられる、余韻の長さも特徴です。
定価:オープン(約15,000円)
参考買取価格:約15,000~20,000円
3.富士山麓 シグニチャーブレンド
2017年発売。販売されている富士山麓シリーズは、シグニチャーブレンドのみ。熟成のピークを迎えた原酒を厳選してブレンドしているブレンデッドウイスキーです。厳選した海外原酒を一部ブレンドしていることもポイントです。
ノンチルフィルタード製法で造られていて、甘い樽熟香と華やかなフルーティーさ、滑らかな口当たりが魅力。複雑で奥深い、原酒本来の味わいをぜひ感じてみて下さい。
定価:オープン(約5,500円)
参考買取価格:約1,000~3,000円
富士山麓の特徴
富士山麓は、個性的な味わいが特徴でもあります。それは、原料や製法による違いから生まれるものであり、人によって好みが分かれるというのも事実です。「まずい」や「やばい」という口コミを見かけた方もいるかもしれませんが、軽い味わいが好みの方には、富士山麓の濃厚な味わいが合わないという意見もあるようです。また、ウイスキービギナーの方にはアルコール度数が高すぎる、ということも。
しかし、原酒が不足するほど人気があるという事実や受賞歴が、高品質である証明です。どんな商品でも好みはつきものですので、一度自分の味覚で味わってみてください。
濃く深い味わいのため、割って飲んでも味が負けないというのも魅力です。ハイボールで飲むと美味しいという意見も多数見られます。
一般的なウイスキーとの違い、富士山麓の個性は以下です。
| 項目 | 富士山麓 | 一般的なウイスキー |
|---|---|---|
| 原料 | 日本産の二条大麦・富士山麓の良質な水 | 日本産大麦・輸入麦芽・外国産の原酒など |
| 製法 | ノンチルフィルタード製法 | 冷却ろ過を行う |
| 味わい | 原酒本来の味わい 香味成分が強い |
スモーキーな味わい |
| 度数 | 50% | 37~43% |
高騰化の理由
富士山麓の「樽熟原酒50°」や「シングルモルト18年」などは、終売になってしまったことにより希少性が増し、市場価格が高騰しています。特に「樽熟原酒50°」は定価1,500円程度だったのに対し、現在の市場価格は5,000円を超えています。シングルモルト18年は、約15,000円だったものが50,000円以上と、「やばい」という口コミはこの高騰化に対してのことだったようです。
富士山麓のシグニチャーブレンドは現在も販売されており、安定的に入手できるため市場における高騰化はしていません。定価、もしくは定価未満で購入できるお店もあるようなので、富士山麓の魅力をぜひ試してみて下さいね。
富士山麓ウイスキーの買取実績
お酒買取専門店ファイブニーズでは、富士山麓の買取を強化しています。富士山麓シリーズの買取実績も多数あり、特に終売してしまった商品については、当時の定価ほどの価格で買取させて頂いております。買取価格は時期やボトル状態によって日々変動しますが、終売している商品についてはこれからも希少性が高まることが予想されます。
飲まない富士山麓をお持ちの方は、買取も検討してみてはいかがでしょうか。お手元にある富士山麓の価値が気になる方は、無料査定がおすすめです。
| 買取日 | 買取商品 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 2025年01月17日 | キリン 富士山麓 18年 700ml | ¥17,000 |
| 2024年10月04日 | キリン 富士山麓 18年 2016 スモールバッチ 750ml | ¥20,000 |
| 2024年09月03日 | キリン 富士山麓 樽熟原酒 50° 700ml | ¥1,000 |
| 2024年07月01日 | キリン 富士山麓 樽熟原酒 50° 700ml | ¥1,000 |
| 2024年07月23日 | キリン ウイスキー 富士山麓 Signature Blend 700ml | ¥1,800 |
▼富士山麓の買取:富士山麓を高価買取できるのはお酒買取専門店ファイブニーズ
まとめ
今回は、キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所が製造する「富士山麓」についてご紹介しました。ノンチルフィルタード製法によって原酒本来の味わいを楽しめる富士山麓は、そのコクと深みが魅力です。アルコール度数が50%と高めでありながらフルーティーな華やかさも感じられる人気銘柄で、根強く愛されています。
終売により価格が高騰している今、買取にも注目が集まっています。お手元にある方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。