入手困難なウイスキー銘柄9選|プレ値の要因と買取価格例も紹介
最近、欲しいと思った「あの」ジャパニーズウイスキーを店頭で見かけなくなって、寂しい思いをしていませんか?
サントリーの山崎や響、ニッカの竹鶴、そして個性派のイチローズモルトなど、日本が世界に誇る銘柄の多くが、今や入手困難なプレミア価格で取引されています。どうしてこんなに手に入りにくくなってしまったのでしょうか?
その背景には、世界的な人気やウイスキーの製造過程による理由があります。この記事では、特に手に入りにくい人気ウイスキー9銘柄を厳選してご紹介します。それぞれの特徴や、なぜプレミア価格になっているのか、わかりやすく解説していきましょう。
入手困難なウイスキー銘柄ランキング9選
今、特に注目度が高く、高値で取引されている人気のウイスキー銘柄を9種類ご紹介します。これらの銘柄は見つけたらラッキーな、まさに「プレミアム」な存在です。どんな特徴があって、どんなシリーズが特に人気なのか、詳しく見ていきましょう。
山崎
山崎は、サントリーが誇る日本初のモルトウイスキー蒸溜所「山崎蒸溜所」でつくられています。
自然豊かな土地で育まれた繊細で奥深い味わいが特徴です。特に、熟成に使われるミズナラ樽(ジャパニーズオーク)由来の伽羅(キャラ)のような香りが世界的に高く評価されています。
山崎はノンビンテージ、12年、18年、25年と熟成年数が長くなるほど価値が上がり、特に「山崎25年」は驚くほどの高値で取引されています。「山崎リミテッドエディション」のような限定品も人気で、販売価格の数倍のプレミア価格がつくことも珍しくありません。
| 蒸溜所 | 山崎蒸溜所(大阪府) |
|---|---|
| 特徴 | 繊細で複雑、ミズナラ樽由来のオリエンタルな香り | 買取価格例 | 山崎18年(現行ボトル)で十万円ほど |
響
サントリーのブレンデッドウイスキーの最高峰。「日本の四季、日本人の感性、日本の美」をテーマに作られています。
複数の蒸溜所のモルト原酒とグレーン原酒をブレンドすることで、華やかでバランスの取れた、丸みのある味わいを生み出しています。ボトルは24面カットが施されており、これは日本の「二十四節気」を表しています。
「響21年」は世界的な品評会で何度も最高賞を受賞しており、非常に需要が高く、正規価格での入手はほぼ不可能です。また、初期に流通した「金キャップ」や「裏ゴールドラベル」など、古いボトルや限定ボトルはコレクターの間で特に人気が高いです。
| 蒸溜所 | サントリー(複数の蒸溜所の原酒を使用) |
|---|---|
| 特徴 | 華やかで芳醇、なめらかでバランスの取れた味わい | 買取価格例 | 響21年(現行ボトル)で数万円~数十万円ほど |
余市
ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝が、スコットランドと似た気候の北海道余市町に開設した「余市蒸溜所」で作られるモルトウイスキーです。
石炭直火焚きによる独特な蒸溜方法が用いられ、重厚で力強い、豊かなピーティーさが特徴です。長らく熟成年数表記のあるシリーズ(10年、15年、20年など)が販売されていましたが、原酒不足によりノンエイジが主力となりました。
しかし、2022年からは「余市10年」が数量限定で復活し、市場に再び登場しています。一方で、「余市15年」や「余市20年」は終売となったままで、特に熟成年数が長いボトルは非常に価値が高く、希少中の希少とされています。
| 蒸溜所 | 余市蒸溜所(北海道) |
|---|---|
| 特徴 | 力強い味わい、石炭直火蒸溜による豊かなピーティーさと香ばしさ | 買取価格例 | 余市15年(旧ボトル)で数万円程度 |
宮城峡
宮城峡は、ニッカウヰスキーのもう一つの蒸溜所「宮城峡蒸溜所」で作られます。清流と自然に恵まれた環境で、華やかで軽快、フルーティーな味わいが特徴です。
余市が「男性的」と評されるのに対し、宮城峡は「女性的」とも言われます。こちらも以前は熟成年数表記のあるボトル(10年、12年、15年など)が販売されていましたが、原酒不足で終売となっていました。
しかし、2025年には「宮城峡10年」が数量限定で復活し、話題となっています。一方で、「宮城峡12年」や「15年」など、それ以外の終売となった熟成年数入りのボトルは、大変希少価値が上がっており、特に古いタイプのボトルはコレクターからの人気が非常に高いです。
| 蒸溜所 | 宮城峡蒸溜所(宮城県) |
|---|---|
| 特徴 | 華やかでフルーティー、なめらかで軽快な口当たり | 買取価格例 | 宮城峡12年(旧ボトル)で数万円程度 |
厚岸
北海道の東部にある「厚岸蒸溜所」で製造される新しいジャパニーズウイスキーです。気候がスコットランドのアイラ島と似ていることから、ピーティーで塩味を感じさせる、個性的でアイラモルトに近い味わいが特徴です。
新しい蒸溜所のため、熟成年数の長い原酒がまだ少なく、数年熟成の「ニューボーン」や「ブレンデッド」などのシリーズが中心ですが、その品質の高さから、限定販売される度に抽選倍率が高くなるほどの人気です。
今後、長期熟成のシングルモルトが発売されれば、さらに注目度が上がり、価値が高まると予想されています。
| 蒸溜所 | 厚岸蒸溜所(北海道) |
|---|---|
| 特徴 | 海風の影響を受けた、ピーティーでスモーキー、複雑な味わい | 買取価格例 | 厚岸シングルモルト 寒露(限定品)で数万円程度 |
イチローズモルト
ベンチャーウイスキー社の「秩父蒸溜所」で作られるウイスキーです。
少量生産ですが、個性的で多種多様なカスク(樽)を使ったウイスキー造りが世界的に評価されています。特に、創業者が父から引き継いだ「羽生蒸溜所」の貴重な原酒を使ったシリーズが、熱狂的な人気を集めています。
数多くのシリーズがある中でも、「カードシリーズ」と呼ばれるトランプの絵柄をモチーフにしたシリーズは、世界中のコレクターが血眼になって探しているほどの超希少品で、1本数百万円で取引されることもあります。限定販売されるボトルは軒並みプレミア価格がつき、定価で手に入れるのは至難の業です。
| 蒸溜所 | 秩父蒸溜所(埼玉県) |
|---|---|
| 特徴 | 個性的で遊び心のあるカスク使い。限定品が多く、コレクター人気が非常に高い | 買取価格例 | イチローズモルト モルト&グレーン リミテッドエディションで数千円~数万円ほど |
軽井沢
現在は閉鎖されてしまった「軽井沢蒸溜所」で製造されていたウイスキーです。終売となった蒸溜所の原酒というだけで、その希少性は群を抜いています。
特に、一時期は海外のオークションで高額落札のニュースになるほど、世界中のウイスキーファン垂涎の的となっています。熟成年数の長いモルトが多く、特にシェリー樽で熟成された原酒が有名で、熟した果実やチョコレートのような濃厚な味わいが特徴です。
市場に出回る本数が限られているため、たとえ熟成年数の短いボトルであっても、ほとんどが超高額で取引されています。
| 蒸溜所 | 軽井沢蒸溜所(長野県、現在は閉鎖) |
|---|---|
| 特徴 | 閉鎖蒸溜所の希少性とシェリー樽熟成による濃厚で重厚な味わい | 買取価格例 | 軽井沢12年で十数万円程度 |
白州
サントリーの「白州蒸溜所」で、南アルプスの天然水を使用して作られるモルトウイスキーです。森の中に佇む蒸溜所のイメージ通り、爽やかで軽快、ほのかなスモーキーさが特徴で、ハイボールにすると特に美味しく楽しめます。
山崎と同様に「白州12年」「白州18年」「白州25年」と熟成年数表記のボトルがありましたが、現在は原酒不足のため「ノンエイジ」が主力です。このため、終売した熟成年数入りのボトル、特に「白州18年」や「白州25年」は、定価を大きく上回るプレミア価格で取引されています。
| 蒸溜所 | 白州蒸溜所(山梨県) |
|---|---|
| 特徴 | 爽やかで軽快、ほのかなスモーキーさとフレッシュさ | 買取価格例 | 白州18年(現行ボトル)で数万円程度 |
竹鶴
ニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝の名前を冠したブレンデッドモルトウイスキーです。
余市と宮城峡の二つの蒸溜所のモルト原酒をブレンドすることで、飲みごたえとバランスの良さを両立させています。以前は「竹鶴21年」「竹鶴17年」など熟成年数表記のボトルがありましたが、こちらも原酒不足のため終売となり、現在は「竹鶴 ピュアモルト」のみが販売されています。
熟成年数表記の旧ボトル、特に「竹鶴25年」などは、その希少性と品質の高さから、非常に高値で取引されています。
| 蒸溜所 | ニッカウヰスキー(余市、宮城峡のモルト原酒をブレンド) |
|---|---|
| 特徴 | 複数のモルト原酒による複雑でバランスの取れた味わい | 買取価格例 | 竹鶴35年(旧ボトル)で数万円~数十万円程度 |
ウイスキーが入手困難になる理由
どうしてこんなにも人気のあるウイスキーが、店頭から姿を消してしまったのでしょうか?
それには、ウイスキーというお酒の製造過程に関わる、いくつかの理由があります。主な要因である三つについて詳しく見ていきましょう。
終売・休売品が増え新しく販売されなくなった
今、高値で取引されている人気のウイスキーの多くは、熟成年数を表記した「山崎12年」や「竹鶴17年」などのボトルです。これらは、製造元が「原酒不足」を理由に、次々と終売・休売しています。一度終売となると、二度と同じボトルが市場に出回ることはありません。
これにより、市場に残っている数少ないボトルが、プレミア価格で取引されるようになるのです。
品薄が続きお店で売っていない
ウイスキーの品薄は、一部の銘柄だけではありません。特にジャパニーズウイスキーは、その品質の高さから、海外での需要も増加し続けています。製造元も生産量を増やしていますが、需要の伸びに追いついていないのが現状です。結果として、市場の在庫が枯渇し、店頭から商品が消えてしまい、お店で売ってないという状況が生まれています。
原酒不足で需要と共有のバランスが合わない
ウイスキーは、製造してから最低でも3年、人気の熟成ものは10年や20年といった非常に長い年月をかけて樽で熟成させる必要があります。数十年先の需要を正確に予測するのは難しく、急な人気増加に対応するだけの「長期熟成された原酒」が不足しているのが最大の原因です。需要が急増したのに、供給が追いつかないため、希少なウイスキーの価値がどんどん高くなっているのです。
入手困難なプレミアムウイスキーの特徴
現在、市場で高値が付いているプレミアムウイスキーの多くは「ジャパニーズウイスキー」です。
その最大の要因は、海外からの人気が高まっていることにもあります。特に山崎や響などは、国際的な品評会で最高評価を連続して受賞したことで、その繊細で高品質な味わいが世界中に知られることになりました。海外の富裕層やコレクターがこぞって買い求めるようになり、価格が高騰したのです。
さらに、ただ飲むだけでなく、「コレクション」や「投資目的」で購入する層も増えたことで、品薄に拍車がかかり、定価を大きく上回るプレミア価格がつくのが今のジャパニーズウイスキーの大きな特徴と言えます。
入手困難なウイスキーの買取実績例
山崎
| 買取日 | 買取商品 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 2024年07月31日 | サントリー 山崎 25年 シングルモルト 新ボトル 700ml | ¥1,130,000 |
| 2025年03月16日 | サントリー 山崎 18年 リミテッド エディション 700ml | ¥100,000 |
| 2023年12月24日 | サントリー 山崎 シングルモルト リミテッドエディション 2014 700ml | ¥85,000 |
| 買取日 | 買取商品 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 2024年07月29日 | サントリー 響 100周年 アニバーサリーブレンド 700ml | ¥1,110,000 |
| 2024年08月20日 | サントリー 響 30年 観音開き 700ml | ¥680,000 |
| 2024年11月01日 | サントリー 響 21年 スペシャルボトルコレクション 2008 有田焼 色絵牡丹文瓢箪形瓶 陶器ボトル 600ml | ¥300,000 |
| 買取日 | 買取商品 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 2025年08月06日 | ニッカ 余市 15年 シングルモルト 700ml | ¥60,000 |
| 2025年08月06日 | ニッカ 余市 12年 シングルモルト 700ml | ¥30,000 |
| 2025年08月06日 | ニッカ 余市 10年 旧ラベル シングルモルト 700ml | ¥25,000 |
| 買取日 | 買取商品 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 2024年10月12日 | ニッカ 宮城峡 15年 シングル モルト 700ml | ¥44,000 |
| 2024年12月19日 | ニッカ 宮城峡 シェリーカスク 700ml | ¥53,000 |
| 2024年10月01日 | ニッカ 宮城峡 2022 アロマティックイースト シングルモルト 700ml | ¥10,500 |
| 買取日 | 買取商品 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 2025年03月28日 | 厚岸×津貫 ヴァッテッドモルト カムイウイスキー カパッチリカムイ 47% 700ml | ¥20,000 |
| 2025年06月19日 | 厚岸 立夏 2025 シングルモルト ピーテッド 750ml | ¥18,000 |
| 2024年09月21日 | 厚岸 小暑 シングルモルト 2024 700ml | ¥18,000 |
| 買取日 | 買取商品 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 2025年10月29日 | イチローズ モルト&グレーン 2024 リミテッド エディション 700ml | ¥85,000 |
| 2025年05月02日 | イチローズ・モルト 2021S 秩父 食源探訪 700ml | ¥43,000 |
| 2025年05月26日 | イチローズ・モルト 秩父 食源探訪 2024S 700ml | ¥31,500 |
| 買取日 | 買取商品 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 2025年01月30日 | メルシャン 樽出軽井沢 貯蔵13年 1981年 ヴィンテージモルト 500ml | ¥195,000 |
| 2024年09月28日 | メルシャン 軽井沢 貯蔵17年 100%モルトウイスキー 700ml | ¥176,001 |
| 2025年10月16日 | メルシャン 軽井沢蒸留所 ヴィンテージ 13年 1995-2008 ルージュカスク 500ml | ¥115,000 |
| 買取日 | 買取商品 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 2024年08月15日 | サントリー 白州 18年 シングルモルト 700ml | ¥81,000 |
| 2024年07月18日 | サントリー 白州 12年 シングルモルト 新ボトル 700ml | ¥22,000 |
| 2025年04月30日 | サントリー 白州 ジャパニーズフォレスト・ビタースウィートエディション 700ml | ¥18,000 |
| 買取日 | 買取商品 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 2024年01月03日 | ニッカ 竹鶴 35年 750ml | ¥500,000 |
| 2024年11月07日 | ニッカ 竹鶴 21年 ピュアモルト 700ml | ¥58,000 |
| 2024年10月12日 | ニッカ 竹鶴 17年 ピュアモルト 700ml | ¥33,000 |
まとめ
今回は、今や「入手困難」となった人気のウイスキー9銘柄と、なぜそんなにも手に入らなくなってしまったのか、その背景をご紹介しました。山崎や響、余市、そしてイチローズモルトなどのジャパニーズウイスキーは、製造元の努力と日本の風土が生み出した世界に誇る宝です。終売品や熟成年数表記のあるボトルは、今後さらに希少性が高まることが予想されます。
もし、ご自宅に「昔買ったけど飲んでいない」「頂き物だけど詳しくない」といったウイスキーが眠っているなら、一度買取査定でその価値を確かめてみるのもいいでしょう。