麻布は、東京都港区を形成する5地区のうちの一つで、旧麻布区とほぼ重なっています。
麻布は山の手の台地と谷地で起伏に富んだ土地となっています。麻布という字があてられるようになったのは江戸時代の元禄期からだと言われています。
麻布は、基本的には、住宅地となっており、特に高台には富裕層が多く住んでいると言われています。低地側の幹線道路沿いには、高層マンションが目立っています。高台は、閑静な住宅街となっていますが、低地には古くからの職人が移り住んだことで文化が形成されたと言われています。
近年までは、地下鉄でのアクセスが悪くちょっとした大人の隠れ家てきなイメージが強くありました。現在では、高級住宅地である麻布と繁華街である六本木は区別されることがありますが、元来六本木の殆どは麻布の一部でした。
麻布周辺には、貝塚などが見られ、縄文時代から人が暮らしていたと言われています。弥生時代には、農業も行われていました。
江戸時代の初期までは農村や寺社の門前町でした。武家屋敷が立ち並ぶようにり、江戸の人口は増加・拡大につれ都市化し、代官支配から町方支配に移りました。
馬場が1729年に芝から麻布に移転し、十番馬場と呼ばれました。馬場移転に伴い馬市が立ち麻布十番は栄えました。
大正時代には、麻布十番を中心に花街や演芸場、映画館、デパートなどが造られ東京でも有数の盛り場となりました。
第二次世界大戦での空襲で大きな被害を受けましたが、戦後に復興しました。六本木ができてからは客足が六本木に向かい長い間商業的な停滞が続きました。
麻布十番駅が開設されてからは駅前の商店街に六本木ヒルズが完成するなどで嘗ての殷賑を取り戻しつつあります。
現在では、麻布は東京を代表する住宅地として知られ、芸能人や著名人、財界人などが多く住んでいます。