ボウモア12年とは?定価・終売情報を解説

「アイラモルトの女王」と称されるボウモアは、古い歴史をもち、いまなお高い人気を誇るスコッチウイスキーです。
スモーキーな味わいで世界中の愛好家を魅了するボウモアは、12年を筆頭に豊富なラインナップがありますが、中には手に入りにくいものも。
今回は、ボウモアの基本情報から定価、流通価格などについてご紹介していきます。歴史や背景を知ることで、ウイスキー選びはぐっと楽しさを増します。
ぜひ参考にしてみてください。
ボウモアとは?

ボウモアは、スコットランドのアイラ島にあるボウモア蒸溜所で造られています。アイラ島は、スコッチウイスキーの中でも個性が強い地域として知られていて、ボウモアもその「アイラモルト」のひとつです。
この個性というのはスコッチウイスキーの特徴でもあるピート(泥炭)のこと。アイラ島はピートが豊富な地域であるため、このピートを活かしたスモーキーさが特徴で、クセが強いと言われる独特の味わいを生み出しています。
中でもボウモアは、そのスモーキーフレーバーのバランスが良く、いわゆるアイラモルトの指標となるような味わいです。初めてのアイラモルトにおすすめするならボウモア、といったところでしょう。
どちらかというとウイスキー通の人向けとも言える、個性的でインパクトのある味わいではありますが、一度飲むと忘れられないクセになる味として高い評価を得ています。
ボウモアとは、ゲール語で「大きな岩礁」。ボウモア蒸溜所の一部は沿岸海抜0mに位置しており、海の潮風や波がダイレクトに影響することから名付けられています。
ボウモアの歴史

ボウモアの創業は1779年。アイラ島では最古の蒸溜所で、スコッチの数ある蒸溜所の中でも2番目に古い歴史をもちます。
人口3,500人にも満たない小さなアイラ島に8つものモルトウイスキー蒸溜所があり、そのどれもが世界中で愛されているという、いわばウイスキーの聖地にボウモア蒸溜所は存在します。
そんな唯一無二の立地に創業して以来、ボウモア蒸溜所は幾度となく経営の危機に陥ります。経営不況や戦争による生産の停止など経営運に恵まれず、200年近くもの間、何度も所有者の入れ替わりがありました。
経営不振に見舞われながらも伝統を守り続けてきたボウモア蒸溜所が落ち着いたのは、1989年頃。日本のサントリーが株の一部を所有してからです。1994年にはオーナーとなり、繰り返された経営悪化を改善へと導きます。
サントリーが経営を改善できたのは、海と自然に恵まれた素晴らしい立地と、品質にこだわった伝統的製法が受け継がれてきたからです。海のシングルモルトとも呼ばれるボウモアは、今現在も潮風に吹かれながら世界中のウイスキーファンを魅了しています。
ボウモア12年の特徴

ボウモア12年は、ボウモアシリーズで最もポピュラーなボトルです。
海に面した蒸溜所の風景が浮かぶような、潮の香りとアイラらしいスモーキーさ。その中にはちみつを思わせる甘さとフルーティーさが見事に調和し、優れたバランスを魅せます。ほどよいパンチと個性はしっかりと感じられつつ、深く長いコクとほろ苦い余韻が上品にまとめてくれます。
アイラモルトの中では比較的クセが抑えられた飲みやすさであることから、アイラモルトの入口としておすすめされるボトルです。
ボウモアは「アイラの女王」と称されていますが、このボウモア12年を指すことも多いです。力強くも繊細で気品のある味わいの愛称としてそう呼ばれるのでしょう。
1980年には蒸溜所にエリザベス2世女王が訪れたことから、女王との縁が深い銘柄としても知られています。
ボウモア12年の定価は?

ボウモア12年の定価は、2025年5月現在、6,600円(税抜)です。販売元であるサントリーの希望小売価格により設定されています。
世界的なウイスキーブームや原材料の安定的な確保、原酒不足などにより、値上げが実施されるウイスキー銘柄も多く、ボウモア12年も同様に、2024年4月に5,060円から6,600円に値上げされました。
市場価格は5,000円〜7,500円ほどと、定価と大きな差はなく、店頭でも安定的な購入ができそうです。しかし近年の世界的なウイスキー人気により、品薄や終売に追い込まれてしまう銘柄も多く、価格の安定について保証はありません。
ボウモア12年を試してみたい方は、価格が落ち着いている今が買い時です。急な値上げが実施される前に購入することをおすすめします。
商品名 | ボウモア12年 |
---|---|
分類 | シングルモルト |
容量 | 700ml |
アルコール度数 | 40度 |
希望小売価格 | 6,600円(税抜) |
ボウモア12年の味わい・おすすめの飲み方

ボウモアは、フロアモルティングや厳選された樽での熟成など、伝統的な製法を守り続けています。その手間のかかる丁寧な製法と技術により、複雑で繊細な「海のシングルモルト」が造られます。
その味わいを存分に味わうためのおすすめの飲み方をご紹介します。色々試して自分好みの飲み方を見つけてみて下さい。
■ストレート
海の潮気を感じられるスモーキーさ、アイラモルトならではの磯の香をダイレクトに感じられるストレート。ドライなピートの中に、複雑に混じり合う甘さやフルーティーさ、繊細な変化をじっくり味わうことができます。
■トワイスアップ
ストレートと常温の水1:1で飲む方法です。香りを引き立たせたい方におすすめで、ストレートではキツイという方にも試しやすい飲み方です。
■ハイボール
アイラモルトをハイボールで楽しむ愛好家は多いです。ボウモア12年を含むアイラモルト特有のクセの強さは、ハイボールにすることで爽やかになり、炭酸に負けないピート香やしっかりとした味わいを楽しむことができます。
■ロック
甘味よりも苦味がお好みの方におすすめ。ビターな印象に変わり、ボウモア12年の潮の香りやいわゆるクセの部分を感じやすくなります。ひとくちごとに変化する複雑な味わいをお楽しみください。
ボウモア12年とその他年代の比較

ボウモアのその他のラインナップをご紹介しましょう。
通常ボトルは定価に近い価格で手に入れることができそうですが、限定品や終売している商品は品薄であり、定価での購入は困難と言えそうです。
商品名 | 定価 | 流通価格 |
---|---|---|
ボウモア12年 | 6,600円(税抜) | 約5,000円〜7,500円 |
ボウモア15年 | 11,960円(税抜) | 約8,000円~12,000円 |
ボウモア18年 | 16,800円(税抜) | 約15,000円~ |
ボウモア25年 | 90,720円(税抜) | 95,000円前後 |
ボウモアNo.1 (終売) |
3,500円 (2018年発売当初) |
約5,000円〜 |
ボウモアヴォルト (数量限定販売) |
12,000円(税抜) | 25,000円前後 |
ボウモアスモールバッチ (終売) |
3,700円(税抜) (2014年発売当初) |
4,000円前後 |
まとめ
ボウモアはアイラ島最古の蒸溜所であり、伝統的な製法を守りながら今現在も高い人気を誇るシングルモルトウイスキーです。これまでにさまざまな種類をリリースしてきましたが、限定品なども多く現在は品薄。しかし、通常販売されているシリーズは定価に近い価格で手に入れることができます。
海に面した立地と自然が生み出す独自の味わいは、スモーキーさと甘さのバランスに優れ、多くの愛好家を魅了しています。アイラモルトに挑戦してみたい方は、まずボウモア12年から試してみるといいでしょう。