焼酎の賞味期限ってどのくらい?時間が経っても飲める理由を解説!
今回はそもそも賞味期限とはどのようなものなのかという基本的な事柄に始まり、賞味期限がないと言われているお酒「焼酎」について、焼酎の賞味期限やラベルに記載された日付の意味、焼酎の保管方法を紹介します。加えて、品質が劣化してしまった焼酎の見分け方や劣化してしまった焼酎の使い方も合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも賞味期限って何?

そもそも賞味期限とはどのようなものなのでしょうか?よく「賞味期限が切れても物によっては食べられる」などと言うことがあります。それはどうしてなのでしょうか?
また賞味期限と似たものに「消費期限」というものがあります。賞味期限とはどう違うのでしょうか?ここでは、焼酎についての内容の前に、賞味期限についての基本的な事柄や消費期限との違いについて説明します。誤った認識をしていると、身体にとって思わぬ健康被害を被る可能性もあるので注意してください。
賞味期限とは
賞味期限というものを簡単に言い換えると「食品を美味しく食べられる期限」ということ。「食品が劣化しないこと」を製造者が保証する期限を「賞味期限」と呼びます。美味しく食べるうえでは重要ですが、期限切れの食品がすぐに身体へ影響を及ぼすわけではありません。 そのため賞味期限が切れたからと言って、すべての食品をすぐに捨てなくてはいけないというわけではありません。「多少、賞味期限が切れていても食べられる」などと言われるのはこのためです。
消費期限との違い
賞味期限とよく似ているのが「消費期限」。言葉は似ていますが意味することは大きく異なるので注意が必要です。 製造から5日以内に劣化してしまう食品に付けられた期限を消費期限と言います。製造者が決定するという点では同じですが、消費期限を切れた食品を口にするのは厳禁です。この場合、品質の劣化どころか身体に害を及ぼす危険があります。 特に生ものなどは、食中毒を引き起こす危険性が高いので、消費期限が過ぎたら諦めて捨ててしまいましょう。消費期限切れの食品を食べることは、最悪の場合、生命を危機にさらすことさえありえる危険な行為です。絶対にやめてください。
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焼酎の賞味期限ってどのくらい?

ここからは本題である、焼酎の賞味期限について説明します。みなさんは「焼酎には賞味期限がない」という話を聞いたことがありますか?果たして賞味期限がないというのは本当なのでしょうか?
賞味期限とアルコール度数の関係についてや5〜10年経った焼酎を飲むことはできるのか、焼酎は古くなってしまうとどう風味が変化するのか。また、他のお酒の賞味期限はどのようになっているのかなどに分けて説明します。
焼酎に賞味期限がないって本当?
焼酎に賞味期限が定められていないのは本当です。その理由には焼酎のアルコール度数が深く関係しています。多くの焼酎は、アルコール度数が20〜45度と高いのはご存知でしょう。実は食品の劣化に繋がる細菌はアルコールに弱く、アルコール濃度が10度未満でないと生存できません。焼酎のアルコール度数が20度以上ということを考えると、焼酎の中で細菌が生存できる可能性は限りなくゼロに近いでしょう。そのため、焼酎の品質が細菌によって劣化する心配は少なく、賞味期限を設ける必要がありません。もちろん、保管状態によっては細菌とは別の理由から品質を劣化させてしまうことはあるため、焼酎の保管には十分気をつけてください。
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5年、10年経った焼酎も飲めるの?
焼酎に賞味期限がないことやその理由についてはおわかりいただけたかと思います。それでは5年、10年と保管していた焼酎は飲めるのでしょうか。「いくらなんでも時間が経ちすぎているから飲めないのでは?」と思われる方もいるかと思います。結論から言うと、10年経っている焼酎でも飲酒は可能です。しかし10年寝かせた焼酎を飲むのは、あまりおすすめできません。理由としては、品質自体に問題はありませんが、時間と共に成分は変化していることが挙げられます。そのために10年寝かせた焼酎は風味が変化しているでしょう。購入した時のままの風味を楽しみたいのであれば、たとえ未開封のものでも、パックやプラスチック容器に入ったもので1年。瓶詰めされたものであれば2年程度を目安に飲みきってください。
古くなった焼酎の味の変化
先程、時間の経過とともに成分が変化し、風味が変わると説明しました。では具体的に時間が経った焼酎の味は、どのように変化してしまうのでしょうか?風味の変化に関して、最も考えられるのは酸味が強くなることです。「あれ、焼酎ってこんなに酸っぱかったっけ?」と感じたら風味の劣化を疑ってください。また香りが薄くなることも考えられます。
購入したての焼酎であれば芳醇な甘さやフルーティーな香りを楽しめますが、時間とともにその香りは失われるでしょう。最後まで美味しく飲みたいという方は、やはり早めに飲みきってしまうことをおすすめします。
他のお酒の賞味期限は?
焼酎以外のお酒は、どのような賞味期限となっているのでしょうか?日本酒やワイン、ウイスキーなどは焼酎と同様、ボトルに賞味期限の記載がありません。しかし焼酎よりも糖類を多く含むため、酸化するのが早く風味が落ちやすいでしょう。そこで以下では、さまざまなお酒の賞味期限を以下にまとめてみました。自宅で長期間保管しているお酒がある方は、ぜひ参考にしてみてください。ビール
未開封時:約9ヶ月 開封後:できるだけ早くチューハイ
未開封時:約1年 開封後:できるだけ早く日本酒
本醸造・普通酒
未開封時:約1年 開封後:できるだけ早く吟醸酒・純米酒・生貯蔵酒
未開封時:約10ヶ月 開封後:できるだけ早くウイスキー
未開封時:なし 開封後:できるだけ早くブランデー
未開封時:なし 開封後:半年〜1年リキュール
未開封時:なし 開封後:3ヶ月ラベルの日付は賞味期限ではないの?

賞味期限がないにも関わらず、焼酎のラベルには何やら日付が書いてあるものもあります。この日付を見て「賞味期限ではないとしたら一体何なの?」と思われる方もいるのではないでしょうか。
この日付は「詰口年月日」を表しています。詰口年月日とは分かりやすく言うと「瓶詰めした日」。元号表記で書かれている場合と西暦の下2桁が書かれている場合があります。
特に焼酎は新鮮であるほど味がよいというわけではありませんので、お店として大量に仕入れる場合はともかく、個人で楽しむ場合にはあまり気にする必要はないでしょう。
焼酎の正しい保存方法

焼酎を最後まで美味しく飲むために重要となるのは「保管方法」です。焼酎は保管方法によって品質を維持できる期間が大きく変動します。間違った方法で保管していると、せっかく長持ちする焼酎も風味が落ちて残念なものになってしまうでしょう。
ここでは焼酎を保管する際に気をつけるべきポイントや、開封済みのものと未開封のものとで異なる保管方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
焼酎は保存方法が鍵
お酒にはそれぞれ保管に適した環境や温度があります。ワインセラーなどがあれば、お酒にとって最適な環境を手軽に維持してくれるでしょう。しかしワインセラーがあるご自宅は少ないのも事実。そこで焼酎を保管する場合に気をつけるべき最低限のポイントを「日当たり」と「温度」に分けて説明します。少しでも長い期間、美味しい焼酎を楽しむためにはぜひこの2点に気をつけて、焼酎にとって最適な環境で保管してください。
日当たり
焼酎は強い光に弱いお酒です。日本酒は緑や青、透明など瓶の色にバリエーションがあるのに対して、焼酎の瓶は黒や茶色のものがほとんどなのは、このため。遮光性能を考えて瓶の配色を決めているのです。そのため保管場所にも日光が当たらない場所を選びましょう。そのうえで瓶を新聞紙などで包むことをおすすめします。焼酎は日光だけでなく光そのものに弱いため、部屋の光にも要注意。できるだけ完全に光が当たらない環境を整えてあげることがポイントです。
温度
保管する際の温度管理も美味しい焼酎を維持するうえでは重要なポイントです。お酒を温めて保管しないというのは誰でもご存知かと思います。しかしただ冷やせばよいというわけでもありません。焼酎にとって快適な温度は12度前後。そこで「あれ?」と思う方もいるのではないでしょうか。そうです、焼酎を冷蔵庫で保管するのはNGです。一見温度も上がらないし、光も遮れるので焼酎の保管に適した環境にも思えますが、温度が低すぎてしまいます。焼酎を冷やしすぎても品質が下がることはありません。しかし旨みの成分が凝固してオリができる原因となってしまうでしょう。雑味が強くなるため冷蔵庫では、焼酎を美味しい状態で保管することはできません。
開封済みと未開封との違い
開封してしまった焼酎と未開封の焼酎とでは、保管の際に気をつけるべきポイントが少し異なります。焼酎の品質を劣化させる一番の原因が「日当たり」と「温度」であることは同様。しかし、開封済みの焼酎にはもう一つ、気をつけるべきポイントがあります。それが「空気」。空気に長時間触れてしまうことで焼酎はどんどん酸化し、風味が落ちていきます。開封後に早めに飲みきるのが一番ですが、なかなか難しい場合はしっかりと栓をして保管しましょう。 また温度についても、開封後には開封前よりも低い温度帯で保管してください。10度以下の環境が望ましいため、開封した焼酎は冷蔵庫保管で問題ありません。
くれぐれも開封済みの焼酎を開けたままテーブルに出しっぱなし、ということはやめてください。
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焼酎の味をチェックする方法って?

気をつけていてもお酒を開封したまま、ついつい忘れて長い期間放置してしまうということありますよね。また開封したのがいつだったか覚えていない、未開封であってもいつからあるのかわからない焼酎などは、まだ飲めるのか心配になるでしょう。
ここでは自宅で長期間保管されていた焼酎の風味が、まだ落ちていないかチェックする際のポイントを説明します。チェック項目は「開封状況」「匂い」「見た目」の3点。判断に迷った際には参考にしてみてください。
開封状況
もっとも基本的なチェック項目としては、まず開封状況が挙げられます。未開封のものであれば高確率で風味に変化はないでしょう。ただし強い光があたる場所に長期間保管されていたものや、エアコンの風があたる場所など温度が上がりやすいところに保管されていたものは、注意する必要があります。匂い
劣化している焼酎は特有の匂いを発します。少し匂いを嗅いで見た際に「あれ?」と思ったものは、風味が大きく損なわれている可能性が高いでしょう。どのくらい前から保管されている焼酎なのかわからないという場合には、まず匂いを嗅いでみてください。嗅ぐ方によって香りの感じ方には差がありますが、劣化した焼酎の匂いをあえて例えるのならば、ガソリンやお酢の匂いに近いでしょう。
酸っぱい匂いや刺激の強い匂いを感じたら、飲むのを控えたほうがよいかもしれません。すぐさま健康に被害が及ぶ可能性は低いですが、どうせならば美味しいままの状態で、お酒を楽しみたいですよね。
後ほど説明しますが、もし風味が飛んでしまっている焼酎でも、別の使い道があるので、すぐに捨ててしまわなくても大丈夫です。
見た目
焼酎の瓶は基本的に黒や茶色なものが多いため、グラスに注いでみるまで分かりにくいのが見た目です。劣化した焼酎はこの見た目にも変化が表れています。白い沈殿物がある場合は、品質が劣化している可能性が高いです。また前述しましたが原因としては、保管場所の温度が低すぎる可能性が考えられます。
沈殿物の正体は、旨味成分が凝縮してできるオリなので、飲んでしまっても身体に影響はありません。しかし人によっては舌触りに違和感を感じる事もあります。一度濾過することで解消されますが、その分旨みは薄くなってしまうでしょう。
余った焼酎の活用方法

風味が劣化してしまった焼酎、そのまま捨ててしまっては勿体無いです。実はお酒として飲む以外にも、焼酎はさまざまなことに活用できます。料理・スキンケア・リフレッシュグッズ・防虫剤などその活用方法は多彩。
ここでは、手軽に活用できる「料理」と「スキンケア」について説明します。「飲めないなら捨てるしかない」と諦めなくても大丈夫です。効率的に活用して、無駄なく焼酎を処分してください。
料理酒にする
風味の飛んでしまった焼酎の活用方法として最も一般的なのが「料理酒」として使ってしまうこと。焼酎に限らずお酒には、肉や魚の臭みを消す効果があります。一般的な料理酒といえば日本酒ですが、その理由は旨み成分の量が多いためです。なので、味付けとしてではなく肉や魚の下処理の段階で使う分には、日本酒との差は少ないでしょう。 もちろん味付けとしても使えますが、その際は日本酒ほどの旨みはないことや焼酎特有のクセを考慮してください。 味の濃い煮物類ならば、焼酎ならではのクセをあまり感じることが少なく、焼酎でも代用しやすいでしょう。
スキンケア用品に使う
あまり知られていませんが、余った焼酎をスキンケア用品として使用することも可能です。女性にとってはかなり嬉しい活用方法ですよね。焼酎がスキンケア用品に使える理由は、焼酎の原料が芋や米、麦など自然素材のものであることが挙げられます。また時間が経っていて、風味が落ちたものだとしても、品質が落ちたわけではないため、肌へ悪影響を及ぼすこともありません。 化粧水などに適量混ぜたり、コップ1杯の焼酎をお風呂に混ぜて入浴したりするなどがおすすめです。
焼酎がスキンケアにおすすめする理由は、製造過程でできる「もろみ」に肌の調子を整える効果があるため。自然の力で肌の調子を整えてくれるでしょう。
まとめ

焼酎の賞味期限について説明しました。焼酎は賞味期限がないため、保管方法に気をつけていればかなりの期間、美味しく味わうことができます。繰り返しになりますが、焼酎を保管する際には、日当たりや温度に気をつけるようにしてください。
また正しい方法で保管していたとしても、かなり時間が経ったと推測されるものは飲む前にチェック項目を参考に、風味が落ちていないか確認しましょう。万が一、風味が落ちていそうな焼酎は、そのまま飲む以外にもさまざまな用途で活用できるので、捨てずに違った使い道を探してみてください。