カネマラ12年の定価と販売価格|特徴・味わいをオリジナルと比較して解説

アイルランドのウイスキー「カネマラ」は、アイリッシュウイスキーでは珍しい“ピートを用いた製法”を取り入れ、スモーキーな香りを持つシングルモルトとして知られています。
その中でも「カネマラ12年」は、熟成を経ることでスモークと麦芽の甘みがほどよく調和し、ファンから高い評価を得ている一本です。
本記事では、カネマラ12年の特徴・味わい、オリジナル(ノンエイジ)との違い、定価や市場価格、さらには他のバリエーションとの価格比較、蒸溜所の歴史や製法、などを丁寧に解説していきます。
カネマラ12年の特徴と味わい

カネマラ12年は、アイルランドのクーリー蒸溜所で造られるピーテッドタイプのシングルモルトウイスキーです。アイリッシュウイスキーとしては珍しい「スモーキーさ」が魅力で、ピート由来の香りが程よく漂うことが第一印象となります。
香りは、麦芽の甘み、ハチミツ、バニラや軽い植物的な土の香り、そして柔らかなピートスモークが混ざり合う印象で、飲み口は、スモークが主張しつつも重くならず、麦芽の甘さ、カラメル、林檎や洋梨のようなフルーティーな要素、そしてオーク樽からくる木の香やスパイス感がうまく調和します。
フィニッシュは、中~やや長めで、燻された余韻がゆっくりと消えていくような印象。一般的評価としては、「控えめなスモーク+アイリッシュらしい甘さと軽やかさのバランスを好む人には特におすすめ」というものが多いです。
全体として、カネマラ12年はスモーク好きにも、初めてのピーテッドタイプを試したい人にも手を伸ばしやすい、バランス型のスモーキー・アイリッシュという立ち位置と言えそうです。
カネマラオリジナルとの比較
カネマラの入門ボトルともいえる「オリジナル(ノンエイジ)」は、軽やかなスモークと麦芽の甘みを楽しめる1本です。飲み口は爽やかで、スモーキーさも穏やか。はちみつや麦芽の甘さが心地よく広がり、ピートの存在はありながらも重くならず、スイスイと飲める軽快さが魅力です。一方、12年は熟成を経ることで樽由来のスパイスやフルーツの厚みが加わり、余韻が長めに続くなど、奥行きや丸みが強調されます。スモークもよりなじみ、バランスの良さが際立つ印象で、特に「落ち着きのあるピート」を求める人に支持されています。
ただし一部のレビューでは、「オリジナルと12年の違いが思ったほど大きくない」「価格差を考えるとオリジナルの方がコストパフォーマンスが高い」といった意見も見られます。特に気軽にスモーキーなアイリッシュを試したい人にとっては、手に取りやすいオリジナルが満足度の高い選択肢になることもあるようです。
総合的に言えば、オリジナルはライトで日常的に飲みやすい一本、12年はその延長線上に深みや複雑さを重ねたプレミアム版、と理解できます。初めてカネマラに触れるならオリジナルから、より余韻や厚みを味わいたいなら12年を試す、という方向で試してみるのもいいでしょう。
カネマラ12年の定価はいくら?
カネマラには、スタンダードな「オリジナル」と長期熟成タイプの「12年」があり、どちらも700ml・アルコール度数40%で販売されています。サントリー公式の参考価格としては、オリジナルが税別5,080円、12年が税別9,700円に設定されています。定価ベースで見ると、両者にはほぼ倍近い価格差があるのが特徴です。ただし、実際の酒販店やオンラインショップではもう少し安く流通しており、オリジナルは3,000円前後、12年は7,000〜8,000円ほどで販売されているケースが多く見られます。
定価から考えると手に取りやすくなっている一方で、やはりオリジナルと12年の間には価格の開きがあるため、購入時には「コスパを取るか」「熟成感を取るか」で選ぶのがポイントになりそうです。
カネマラの種類と価格相場
ボトル名 | 特徴 | 日本の流通価格例 | 備考・補足 |
---|---|---|---|
カネマラ オリジナル (ノンエイジド) |
標準版、 軽やかで飲みやすい |
3,000-5,000円 | 並行輸入品やセールによって 価格変動あり |
カネマラ 12年 | 長期熟成版、 深みと余韻が増す |
9,000円前後 | 流通量が限られるため、 価格が高めに固定されやすい |
カネマラ Distillers Edition |
シェリー樽とバーボン樽で 熟成。 風味を強化した特別版 |
6,000円前後 | 数量限定で風味に個性あり |
カネマラ 22年 | 超長期熟成版、 リッチで複雑 |
20,000円前後 | 在庫少なく希少性が高い |
カネマラ ターフモア | 蒸溜所限定、 ピート強め |
10,000円前後 | 免税店限定品のため 入手難度高い |
オリジナル版は軽やかで飲みやすく、ピートの香りも穏やかです。3,000〜5,000円台で流通しており、日常的に楽しむには手が届きやすい価格帯です。
12年ものは、熟成による奥行きや余韻の長さが増し、ピートや樽由来の香味がよりなめらかに感じられます。価格は8,000円前後と高めですが、安定して入手できる安心感があります。
Distillers Edition は、通常品に比べ樽の風味や香りが強化された特別仕様版です。価格帯はオリジナル〜12年の中間からやや上レンジで、個性的な味わいを楽しみたい方に向いています。
さらに22年ものやターフモアなどの長期熟成・限定品は、よりリッチで複雑な味わいが特徴です。価格も高めで、入手困難な場合が多く、コレクターや愛好家向けの位置づけです。
このように、カネマラシリーズはそれぞれ風味や熟成感が異なり、価格帯も幅広いため、購入を考える際は「どのシリーズか」「流通数や入手しやすさ」を確認することが大切です。
カネマラの蒸溜所「クーリー蒸溜所」の歴史

クーリー蒸溜所は、アイルランドで長い歴史を持つウイスキー蒸溜所の一つです。もともとは国営の蒸溜所として操業していましたが、その後、アイリッシュウイスキーの歴史を研究していた実業家、ジョン・ティーリング氏の目に留まり、1987年に買収されました。
ティーリング氏はそこを改築し、アイルランドで約100年ぶりとなる新設蒸溜所としてクーリー蒸溜所を誕生させます。そこでは2基の塔式蒸溜器を備えた設備に転換され、1989年には正式に稼働を開始しました。
蒸溜所で造られたウイスキーはすぐに話題となり、1998年にはIWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション)で初のトロフィーを受賞するなど、その品質の高さが評価されました。
2011年には、アメリカのビーム社に買収され、その後2014年4月には日本のサントリーの傘下に入りました。現在もビーム サントリーの子会社として稼働し、伝統を守りながらも革新的なアイリッシュウイスキー造りを続けています。
カネマラの製造方法

カネマラは、その特徴的であるスモーキーな香りを生み出すため、ピーテッド麦芽を主原料として使用しています。仕込みに使われる水は、クーリー山のスリーヴ・ナ・クロークから湧き出る軟水で、柔らかく穏やかな水質がウイスキーの品質向上に貢献しています。
1回あたり約6.5トンの麦芽を仕込み、得られた麦汁を発酵槽に移します。ここで酵母を加えて約2日間発酵させることで、アルコール度数8%前後のもろみが出来上がります。
蒸溜はポットスチルを用いた2回蒸溜で行われます。一般的なアイリッシュウイスキーは3回蒸溜されることが多いですが、カネマラはスコッチ方式に倣い2回とすることで、スモーキーさと香りのバランスを保っています。
熟成はバーボン樽で行われ、クーリー蒸溜所およびキルベガン蒸溜所の倉庫で貯蔵されます。効率的な保管のため、樽はパレットに縦積みされ、省スペースでも安定した熟成が可能です。
このように、原料選びから蒸溜、熟成に至るまでの細やかな工程によって、カネマラ特有の豊かな香りとバランスの良いスモーキーさが実現されています。
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カネマラの買取実績
カネマラは、ファイブニーズでも積極的に買取を行っているアイリッシュウイスキーのひとつです。特にオリジナルや12年ものは人気が高く、状態が良いボトルほど査定額も高めに評価される傾向があります。未開封であること、ラベルや箱がきれいなもの、保管状態が良好なものは適正価格で取引されやすくなります。また、限定版や特別仕様のDistillers Edition、長期熟成の22年ものは希少性が高いため、コレクター需要も加わり、通常のボトルよりさらに高値が期待できます。
買取を考える際には、購入時の付属品や保管状況を整えておくことが重要です。ボトルの状態が良く、保存環境が安定していると査定額に反映されやすいため、売却前にはぜひチェックしてみてください。詳細な査定や最新の買取相場を知りたい場合は、査定依頼を通じて確認するのが最も確実です。
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まとめ
カネマラ12年は、アイルランドのシングルモルトの中でも珍しいピーテッド製法を用いており、スモーキーさと麦芽の甘み、樽香がバランスよく調和した味わいが魅力です。オリジナルと比べると熟成による厚みと奥行きが加わり、より“ウイスキーらしい深み”を楽しむことができます。シリーズごとに異なる味わいも魅力のひとつです。もしご自宅に未開封のカネマラがあれば、一度査定依頼をして、あなたのボトルの価値を確かめてみるのもおすすめです。