田酒とは?定価で購入する方法や入手困難と言われる理由、人気銘柄を紹介
「幻の酒」とも呼ばれる日本酒、田酒(でんしゅ)をご存知ですか?
その名前は知っていても、なかなか飲めない、手に入らないと感じている方も多いでしょう。田酒は、米の旨みを最大限に引き出した、素朴ながらも洗練された味わいで、日本酒ファンから絶大な支持を得ています。
この記事では、田酒の魅力や入手困難な理由、そして定価で手に入れるための方法まで、基礎知識を分かりやすく徹底解説します。ぜひ最後まで読んで、田酒の奥深さに触れてみてください。
田酒(でんしゅ)とは
田酒は、青森県の銘酒として知られる日本酒です。その名前は、「日本の田んぼで取れた米だけで作った酒」というコンセプトに由来しています。
ここからは、そんな田酒について、「特徴」、「味わい」、そして「製造元・西田酒造の歴史」の3つのポイントからご紹介していきます。これを読めば、田酒の魅力がもっと深くわかるはずです。
特徴
田酒の最大の特徴は、「純米酒」であるという点です。これは、お酒を造る際に醸造アルコールや醸造用糖類を一切使用していないことを意味します。一般的に日本酒の中には、味わいを調整したりコストを抑えたりする目的で醸造アルコールを添加するものもありますが、田酒は米、米麹、水だけで造られています。だからこそ、米本来のピュアで豊かな旨みが最大限に引き出されています。
このこだわりこそが、田酒が多くのファンに愛される理由の一つなのです。
味わい
田酒の味わいは、まさに「素朴ながらも洗練された米の旨み」を堪能できる点にあります。口に含むと、ふくよかな米の甘みと旨みがじんわりと広がりつつも、後味はキレが良くスッキリしています。重すぎず、かといって軽すぎることもない、絶妙なバランスが特徴です。
飲む温度帯によっても表情を変え、冷やして飲めばキレが際立ち、常温やぬる燗では米の旨みがより豊かに感じられます。どんな料理とも合わせやすく、ついつい杯が進んでしまう魅力的なお酒です。
田酒の製造元「西田酒造」の歴史
田酒を造っているのは、青森県青森市にある株式会社西田酒造店です。創業は明治11年(1878年)と古く、現在も青森市唯一の酒蔵として、地元の酒造りを支えています。もともとは「喜久泉(きくいずみ)」という銘柄で親しまれていましたが、時代とともに変化する中で、「米と水だけで造る、日本酒の原点に帰った酒を」という強い想いから、1974年(昭和49年)に「田酒」を発売しました。
この挑戦的な純米酒造りが、蔵元の名声を全国へと広げるきっかけとなりました。
田酒の主な種類
田酒には、定番の銘柄から季節限定品までさまざまな種類があります。ここでは、代表的な種類をシンプルな説明とあわせてご紹介します。
| 田酒 特別純米酒 |
田酒の定番中の定番。通年販売されています。 |
|---|---|
| 田酒 特別純米酒 山廃仕込 |
伝統的な「山廃仕込」で造られた、力強い酸味と複雑な旨みが特徴です。 |
| 田酒 純米大吟醸 四割五分山田錦 |
兵庫県産「山田錦」を贅沢に使った、華やかな香りと洗練された味わいが魅力です。 |
田酒はなぜ入手困難なのか
田酒が「幻の酒」と呼ばれるほど手に入りにくいのは、実は明確な理由があります。主に「販売数が限られている」ことと「特約店のみで取り扱っている」ことの二つが大きな要因です。
販売数が限られている
田酒が大量生産されていないのは、西田酒造店の「品質第一」のこだわりがあるからです。大手酒造会社のように大規模な設備で造るのではなく、職人の手作業を多く取り入れた丁寧な酒造りを続けています。この製法を貫くため、どうしても年間を通じての製造量に限りがあります。需要に比べて供給量が少ないため、必然的に市場では品薄状態が続き、入手困難となっています。
特約店のみで取り扱っている
田酒は、西田酒造店が品質管理を信頼できる「特約店」と契約した酒販店を通して全国で販売されています。これは、お酒の品質を最良の状態で保ち、消費者へ届けるための大切な仕組みです。つまり、どこの酒屋でも、どんなネットショップでも買えるわけではないということです。
この販売チャネルの限定も、田酒を定価で手に入れるのが難しい理由の一つとなっています。
田酒を定価で購入する2つの方法
入手困難な田酒ですが、「定価」で手に入れる方法はあります。
ここでは、正規ルートである「特約店」と、少しの工夫が必要な「インターネット」を利用する2つの方法をご紹介します。
特約店に買いに行く
最も確実で、定価で購入できる可能性が高いのは、西田酒造店の特約店に直接足を運ぶことです。特約店は全国にありますが、特に地元である青森県内や、都市部の有名店に集中しています。しかし、特約店でも入荷本数が限られているため、入荷日を事前に確認するか、予約や抽選販売のシステムがないかを確認するのがおすすめです。
手間はかかりますが、蔵元が大切にしているお酒を、最良の状態で手に入れられる方法です。
インターネットで探す
特約店が近くにない場合は、特約店のオンラインショップや、正規の販売ルートを持つ酒販店のオンラインストアを探してみましょう。フリマサイトやオークションサイトでも見かけますが、定価よりかなり高額になっているケースが多い上に、品質管理の面で不安が残ることもあります。定価にこだわりたいなら、特約店のオンラインストアの入荷情報をこまめにチェックするのがポイント。
根気が必要ですが、見つけた時の喜びはひとしおです。
田酒の人気銘柄
ここでは、田酒の中でも特に人気が高く、ぜひ一度は飲んでみてほしい定番から特別なものまで5つの銘柄をご紹介します。田酒 特別純米酒
これが田酒の「顔」ともいえる定番銘柄です。地元青森県産の酒米を中心に使い、精米歩合55%まで磨き上げています。口に含むと、ふっくらとした米の旨みが心地よく広がり、後味はシャープなキレで全体を引き締めます。純米酒らしい米の味をしっかりと感じられるのに、雑味がなく飲み飽きしないのが魅力です。
飲む温度帯を選ばず、冷やしても常温でも美味しくいただけますよ。まずはこれから田酒を試してみたいという方に、一番におすすめしたい一本です。
| 銘柄 | 種類 | 酒米 | 精米 歩合 |
アルコール 度数 |
日本酒度 | 公式サイト 価格 (1.8L・税込) |
参考 買取価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 田酒 特別純米酒 | 特別純米 | 華吹雪 | 55% | 15.5% | ±0 | 3,465円 | 1,500円〜 |
田酒 特別純米酒 山廃仕込
「山廃仕込」という、手間と時間のかかる伝統的な製法で造られた特別な純米酒です。通常の田酒に比べて、乳酸由来の酸味が強く、複雑で深みのある旨みが特徴です。しっかりとしたボディがあり、濃厚な味付けの料理にも負けない存在感があります。また、熟成によってさらに味わいが変化していくポテンシャルも秘めています。
日本酒に飲み慣れた方や、個性的な味わいを楽しみたい方におすすめです。秋から冬にかけて、季節限定で出荷されることが多い銘柄です。
| 銘柄 | 種類 | 酒米 | 精米 歩合 |
アルコール 度数 |
日本酒度 | 公式サイト 価格 (1.8L・税込) |
参考 買取価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 田酒 特別純米酒 山廃仕込 |
特別純米 | 華吹雪 | 55% | 15.5% | ±0 | 3,850円 | 3,000円〜 |
田酒 純米大吟醸 四割五分 山田錦
酒米の王様とも呼ばれる「山田錦」を贅沢に使用し、精米歩合45%まで磨き上げた純米大吟醸です。華やかで上品な香りが立ち上り、口当たりは非常に滑らか。きめ細かく洗練された米の旨みと、スッと消えるような軽快な後味が見事なバランスを保っています。このクリアで透明感のある味わいは、刺身や繊細な和食との相性が抜群です。特別な日の贈答品や、自分へのご褒美にもぴったりな、ワンランク上の田酒です。
| 銘柄 | 種類 | 酒米 | 精米 歩合 |
アルコール 度数 |
日本酒度 | 公式サイト 価格 (1.8L・税込) |
参考 買取価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 田酒 純米大吟醸 四割五分山田錦 |
純米大吟醸 | 山田錦 | 45% | 16.5% | ±0 | 8,250円 | 5,100円〜 |
田酒 純米大吟醸 斗壜取り(とびんどり)
数ある田酒の中でも、特に希少価値の高い限定品です。「斗壜取り」とは、醪(もろみ)を搾る際に、圧力をかけずに、自然に滴り落ちてくる雫(しずく)だけを斗瓶に集めた、最高峰の搾り方です。これにより、雑味のない最もクリアでエレガントな部分だけがお酒になります。
生産量が極めて少なく、手に入れるのは非常に困難ですが、その繊細で芳醇な味わいは、まさに至極の一献。日本酒ファンなら一度は飲んでみたい憧れの銘柄です。
| 銘柄 | 種類 | 酒米 | 精米 歩合 |
アルコール 度数 |
日本酒度 | 公式サイト 価格 (1.8L・税込) |
参考 買取価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 田酒 純米大吟醸 斗壜取り |
純米大吟醸 | 山田錦 | 40% | 16.5% | ±0 | 15,400円 | 8,000円〜 |
田酒 純米大吟醸 百四拾(ひゃくよんじゅう)
この銘柄の最大の特徴は、青森県が開発したオリジナルの酒米「華想い」を全量使用している点です。華想いの開発当時の試験品種名が「青系酒140号」だったことにちなんで「百四拾」と名付けられました。精米歩合40%で、華やかな香りと、山田錦とはまた違った奥深い米の旨みを表現しています。田酒の地元・青森へのこだわりを感じられる、人気の高い純米大吟醸です。山田錦の田酒と飲み比べて、その違いを楽しんでみるのも面白いでしょう。
| 銘柄 | 種類 | 酒米 | 精米 歩合 |
アルコール 度数 |
日本酒度 | 公式サイト 価格 (1.8L・税込) |
参考 買取価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 田酒 純米大吟醸 百四拾 |
純米大吟醸 | 華想い | 40% | 16.5% | ±0 | 8,800円 | 6,100円〜 |
田酒の買取実績
希少価値が高く、熱狂的なファンを持つ田酒は、市場でも非常に人気があります。そのため、中古市場での買取価格も高値になる傾向があります。たとえば、田酒 古城乃錦 純米吟醸 古城錦という銘柄では、当社ファイブニーズの買取実績として¥4,500という実績があります。(※買取価格は、商品の状態、製造年、市場の需給バランスによって日々変動します。)
飲まずに保管している田酒や、贈答品でいただいたけど飲む予定がない田酒をお持ちの場合は、ぜひ一度査定を試してください。当社ファイブニーズでは、田酒の買い取りを強化中です。詳しくは、お気軽に査定依頼をしてみてください。
関連リンク
▼田酒 古城乃錦 純米吟醸 古城錦 1800ml
まとめ
田酒は、米・米麹・水だけで造られた、米本来のピュアな旨みとキレが魅力の青森が誇る銘酒です。職人の手作業による品質へのこだわりから生産量が限られ、さらに特約店限定の販売であるため、入手困難になっています。しかし、特約店をこまめにチェックしたり、オンラインストアを探したりすれば、定価で購入するチャンスはあります。
本記事をきっかけに、あなたも田酒の奥深い魅力にハマってみてください。また、もしお手持ちの田酒を売却検討される際は、ぜひ当社ファイブニーズへご相談ください。